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塩引鮭(しおびきさけ)

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|鮭の町、村上の塩引き鮭
塩引鮭は、新潟の北部村上地方に古くから伝わる伝統的な鮭の製法です。新巻きサケや塩鮭と違い寒風に晒して熟成させる製法です。そのためにたんぱく質が発酵してうま味に変わって新巻きや塩鮭では味わえない品があって深みのある食味になっています。
村上市は江戸時代、村上藩という城下町でした。其の村上藩士で長い間、鮭を観察していた青砥武平次(あおとぶへいじ)という藩士が、鮭が3年でその川に産卵のために戻る回帰性を見抜いて、世界で初めて鮭の産卵場所を保護増設して、増殖に成功しました。そのために村上は鮭の町になりました。
しかし、村上の鮭は川の近辺で漁獲されるために餌を余り食べなくなっていて(産卵のために余り餌を食べなくなる)身に脂が少なく味としては落ちてしまいます。一般的に鮭などの魚は脂がのっているほど美味しいとされます。現在もてはやされている時知らず鮭や鮭児鮭(けいじ)はまだ川に上るずっと以前に漁獲されているために盛んに餌を食べて脂がのっているのです。河口近辺や川で採れた鮭は本来はB級品になります。
そこで村上では一度塩漬けした鮭を寒風干しして水分を飛ばして、身を熟成させる技を編み出しました。それが塩引き鮭です。その身は単なる塩鮭に比べてうま味が凝縮しています。ハンデイーをプラスに変えたのです。
塩引き鮭は雄の大型4~7kgの魚体が使われます。雌は卵に栄養が採られていて美味しくないからです。
塩引き鮭は昔は背開きだったとも言われています。武士が村上藩に貢献する鮭を切腹させるに忍びないということで始まった言われています。今では腹開きしていますが、全て開かず中央で繋がっています。また櫛で繋がれてもいます。鮭は11月に入り日本海から大陸の寒風が吹くと2週間から1カ月以上逆さ刷りにされます。尾を縄で巻いて吊るすのですが、頭を縛ってつるすと首つり見たいで可愛そうというこれもまた武士の情けです。
鮭は吊るせばつるすほど乾燥していき、身も固くなっていきます。じっくり1年以上乾燥させたものが「酒びたし」という特産品になっています。村上の冬は酒のミイラが天井から頭を下にぶら下がっているちょっと不気味な光景です。
新潟県は大きな河川がいくつか流れ、毎年多くの鮭が遡上していました。そのため昔から鮭の消費も多く新潟県は今では鮭消費の日本一の県ですが、村上の鮭の食文化も大いに影響しています。新潟の鮭文化は村上が元になっています。村上は鮭をすべて使い切る鮭料理が100種類もあるそうです。
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